なぜ「日本語学習塾」なのか

これは毎日更新している【やさしい日本語】の記事ではありません。

どうして私が「ジーニアス日本語塾」を始めたのかについて

私の想いをみなさんに知ってほしくて書きます。

少し難しい日本語の表現もあります。長いです。

もしよかったら読んでみてください。

 

 

 

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みなさんは「日本語学習塾」と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか。
あるいは、どんな感じを受けますか。どんなことを考えますか。

 

まず、多くの方が思うのは「日本語学校とは違うの?」ではないかと思います。
じゃあいわゆる「日本語学校」についてどれだけのことを知っていますか。

もちろんすべてではないですが、今、日本国内で、外国人が日本語を学べる環境は以下のような感じ。
・日本語学校
・大学(留学生として入学)
・地域の日本語教室
・小学校・中学校・高校で、日本語「で」授業を受ける
・小学校・中学校・高校で、取り出し授業を年に数回受ける

 

「日本語学校」というのは、多くの場合、日本の大学や専門学校に進学を希望する海外の学生・大人がその入学試験を受けるための勉強をする予備校のようなものです。つまり若くても18歳。年が上の方だと30歳前くらい。予備校のようなものなので、基本的には1年の通学。

大学に留学生として入学すると、日本語のクラスがあることも多いです。ただし、留学生として入れるレベルなので、当然18歳以上ですね。

地域の日本語教室はどうでしょうか。ここは年齢制限こそありませんが、あくまでも「日常の日本語」に主眼があり、多くの場合は大人を対象にしていて、かつ、教える側の日本人もボランティアの方々。

小学校・中学校・高校で日本語「で」授業を受けるのは、もはや「日本語を学べる環境」というにはちょっと乱暴ですよね。
取り出し授業を行っているところもありますが、その実施内容についてはまちまち。専門の指導員が入るのは予算の関係で年に数回ほどというケースもあるそう。あるいは、ボランティアの人が入って毎週1回は授業があるとか。あとは、日本人も含めた「特別支援学級」に配置されることもあるそうです。

いまだに見られるケースとして、日本の小学校に入るのに、「日本語ができないとかわいそうだから、日本語ができるようになってから来てください。」と入学を断られることすらあるという。
それってどこにそんな「日本語をできるように勉強できるところ」があるというのでしょうか。

私が、一番最初に、「それは外国人児童は不利だ」と思ったのは、高校進学時の「外国人児童枠」という選抜方式の存在を知ったときでした。「外国人児童枠」という制度があるらしいが、その制度を使えるのは誰なんだろうと調べてみて驚きました。「在日3年以内の外国籍児童」とあった。それってつまり、小学校のときから日本にいたら、「外国人児童枠」は使えないということ。使えないということは、小学校のときから日本にいる子たちは、日本人母語話者の生徒たちと同じように5教科で高校入試を受けないといけないということ。

上で挙げた日本語の学習可能環境を考えてみても、どれだけ不利なことか。。。
それは当然「外国人の高校進学率の低さ」を生み出すよ、と思いました。
高校に進学したくないなら別にいいと思うが、そうではなくて、外国人児童やその親が高校進学を考え始める時点では、もうすでに間に合わないレベルだった、という場合も簡単に考えられます。

日本人ですら、最終学歴が中学校なのか、高校なのか、大学なのかで、生涯に稼げる金額にかなりの差がある日本社会において、外国人が日本語をまともに使えないから、日本で勉強ができずに、低賃金で働きつづけなきゃいけないなんて悲しすぎる。

少なくとも、本人が意思をもって選択できるような状況にしていきたい。そう思ったから、「日本語学習塾」を立ち上げた。
「日本語」が日常会話レベルできればいいということではなくて、高校入試に挑戦できるくらいの日本語力、そして学力を身に着けられるようにサポートする場所を提供する。
それが私のしたいことです。

 


 

長い文を読んでくれてありがとうございます。

また夜にいつもどおりの【やさしい日本語】の記事も更新しますね^^

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